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懐中仕掛けのファフロツキーズ
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08/19-22:20

昔々の物語には、凡そ昨今の所謂ステレオタイプ的な厨二向けファンタジー作品に良く見られる、パンドラの箱の最後には希望が残っていた、だなんて今時流行り尽くした救いエンド風の安い寓話がそこかしこに存在しているじゃない?だけど偉大なる先人共々が遺した関連文献を紐解いてみれば何て事は無い、希望が現実という舞台からひょっこり顔を覗かせる前に、あれだけ多種多様で圧倒的な絶望の累々を目の前でわんさか見せ付けられれば、希望なんて雑魚にも等しい小物でもそれなりのタマに見えてしまう辺り、判っていたけど人間の識別能力ってものだけは本当にアテにならない。何せその実そんなに善い物で無い、冷静になって思い返してみれば、ほんの少しマシな存在だったってだけで終わる代物に対して、あれだけの盛大な錯覚を引き起こし無条件の期待を寄せてしまえるのだから。たかが三文芝居のオチ要員に向かって、誰もがアレは善い物だと勘違いを抱き、手を取り合い共に苦難を乗り越えて行こう的な展開に収まってしまうだなんて、どれだけ御都合展開なんだよ。意味わかんない。
ああ、でもヤケクソから芽生えたポジティブシンキングの例も実際多数存在する訳だし、そんなに変な事でも無いのか。しかしやっぱり同感をするまでには到らない。
けれどもまあ、ソレを差し引いたとしても希望も絶望も、善と悪、正と邪みたいに人間が懐く意識の問題だって相場が決まってるのに、ホント世の中って一見複雑な様でいてその実思わず笑いが込み上げてしまう程には単純明快だよね。だってパンドラの中身は文字通り全て厄災しか詰まっていなかったのに。
これは征服者が対象に用いる落として壊し切った直後に手を差し伸べる一種の懐柔術とも呼べるモノと似通っているのかもしれない。事象のカラクリに人間は気付かず白痴みたいな笑みを溢し、空になったはずの真っ黒な玩具箱の中身を必死に漁る行りを読み解いて行く人達。立ち位置を見極められずに翻弄されている様から察するに、まだ祖先が口に含んだ知恵の実が与える効能が体中に回って居なかったのかな。そう結論着けてしまえば、希望の名札は飽くまでも名札で、受け取り方によっては単なるフェイクに終るかもしれない肩書きと言う張りぼてに対して、知らず知らずの内に翻弄されつつも涙を流しながら必死に幸せを箱から引き摺り出そうと、もしくは箱に詰め続けている毒にも薬にも成り損ねた被害者そのものが、本来物入れにセッティングされているべき存在だったと僕は思うね。
いや、ホントどうでも良い閑話なんだけど。あと、僕の話そのものが既に厨二じゃないかって言うツッコミも受け付けてないから。

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