懐中仕掛けのファフロツキーズ

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┗懐中仕掛けのファフロツキーズ(12-16/80)

16 :西
07/26-21:03

遍く神々すら言い値で買い占める程度の贅富やら、色褪せる事が無い栄華やら、ほんまはどうでも良かってん。俺はあん時あいつを手放したなかったから、子供ん時から大事にしとった汐浜の水底を一面、木屑鉄屑灰塵、それから無数の人間やったモンで仕方無く埋め尽しただけや。孵化仕立てのちみっこい雛鳥同然の存在をな、身を挺して護ってたら何時の間にか視界に映るもん全部が金色から赤色に変わって、最後にはまた眼窩がアホに成るくらいの金色が勝手に湧いて来よっただけなんや。そないな悪趣味且つ反射的に嘔吐したなる舞台装置がセッティングされた中枢核へ集束。有無の諫言を挟む猶予すら与えられんと壇上まで一直線に引き摺り込まれてしもうて、丸腰の俺が着地したんを合図とでも云わんばかりに血腥いカーテンコールが引き裂かれて。そう高括っとったら今度は瞬きみたいな生理現象すら許さへんと主張したげに、舞台袖から延々とキャスリングされる気色悪い泥人形相手にひたすら踊り狂う遊びに甘んじて興じとる最中、唯一の特異点やった馴染みの深いエジプシャンブルーまでもが夥しい不純物で構成されたワインレッドに侵食されつつ或る情景を、眉一本すら動かさん侭視界に納められたんも、こないな惨状を靡かせる火種が燻るよりずっと前から、さっさとあいつの存在を客席に招待させてたからに決まっとる。望まへん主役に抜擢されたから云うて特別達観した訳でも無い。裏方を統べる盤上に躍らされん様、敢えて無感動を装うてた訳でもあらへんよ。四方八方から犇めく御粗末な剣舞を薙ぎ払う以外に振う余裕なんか、当時の俺に持ち合わせてるはず無かったしな。年端も行かんお子様が観ても全然面白味が感じられへん寸劇であの子が退屈せん様にって、余裕に附随する情念諸戸も持ち得るだけの感情、一抹を担う粒子すら漏洩させたら駄目やと胸中で耳胝なぐらい反芻しながらあの子に全部明け渡した…いや、無理矢理刷り込ませたって云うた方が正しいのかもしれへんな。お蔭で諮らずも太陽すら傾かせる不穏因子と認識されてしもうた子供は、大量の瓦礫しか築かれへん様になって久しい怪態な俺の立ち居振舞いを遠巻きに観賞しても、あの可愛え頬に笑窪を作って笑うてくれたんやろうか。

……あれ、何や、大事な所がちっとも思い出されへんなあ…。それか思い出さん様に俺自身が記憶を司る脳神経にストッパー掛けとるんかな。違う、ちゃうねん、俺が耄碌するんも可笑しない歳月重ねとるだけなんやろ。でないとお前が今も暇を見付けては、こうやって度々顔を見せてくれる訳があらへんわ。
なあロヴィ…。親分、そない甘ちゃんな事言うて逃げ続けてて構わんのやろか？まあお前が俺から逃げへんかったらそれ以上、他に何も欲しい物なんか思い浮かばへんねんけど。
せやから、これからもずっと一緒に居ったってな？親分と子分の約束、やで。

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15 :ミ／ニ／チ／ュ／ア／地／球／儀
07/26-11:23

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14 :ミ／ニ／チ／ュ／ア／地／球／儀
07/26-00:03

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13 :ミ／ニ／チ／ュ／ア／地／球／儀
07/25-17:58

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12 :ミ／ニ／チ／ュ／ア／地／球／儀
07/25-02:23

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