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だいたい調理部日誌!
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31 :
イヴァン☆
10/13-10:43
僕、体温低いからとっても焼き芋が熱かった。
でも悪いことばかりじゃなかったかな。
だって早く冷めるみたいで、ルートヴィッヒくんやフェリシアーノくんに分けてあげられたから。
それに…。
流石のルートヴィッヒくんもおでこが真っ赤だったなあ。ちょっと目が潤んでたし、焼き芋直撃して熱かったよね?
だけどせっかくの焼き芋なんだからって、叱って叱られてばかりじゃ楽しくないもんね。だから僕の焼き芋を半分こして、2人に渡すと、ふーふふ。
2人揃ってきょとんってしてから、おずおず受け取るルートヴィッヒくんに、おおはしゃぎで受け取るフェリシアーノくん。
ルートヴィッヒくんがまた注意しようとして口を開いたけど、そっと額に掌を当ててみた。
切れ長の瞳が親指の下で見開かれて、眉が困って八の字になって擽ったい。
「熱いね。王先生が冷やすもの持ってくるまで…嫌かな?」
「ああ、いや…嫌では、ないが…随分とお前は、なんだ。冷たい手をしているんだな」
逸らされた視線が、不器用な口調がなんだかとっても可愛かった。
勇気出してよかったあ。
するとフェリシアーノくんが落ちた焼き芋を二個拾ってから、割り口が黄色いまあるいふかふかの半分こ焼き芋を、ルートヴィッヒくんの口元に差し出した。
「隊長!イヴァン司令官殿の差し入れであります!」
「わぁ~僕司令官?やったあ。食べてねルートヴィッヒくん!」
「ヴェ!」
僕を見てフェリシアーノくんを見て、すこぶる何かを言いたそうにしてから、彼は口をゆっくり開いた。
「ルートで構わない。…司令官殿」
僕、心臓を鷲掴みされたのかと思った。愛称、ニックネーム、それってとっても仲良しだよね!
わあっ、うわあ…凄い!嬉しい!
照れ臭そうに笑って差し出された焼き芋をもぐもぐ食べるルート、くんが僕にはどんな仔犬よりも可愛い生き物に見えた。
ギルベルトくん今ならあの時の、借り物競争の君の気持ちわかるよ。
可愛い。
弟!後輩!友達…!姉さん僕に大事件です。
「あー、ずっけー!じゃあ俺も!フェリでいいよ~であります」
初めて僕が育てた向日葵が咲いた日みたいに、晴れやかな気持ちに満たされました。
秋が少しずつ濃くなっていく。
他の園芸部員もめいめいが楽しそうで、合同焼き芋パーティはみんなにそれぞれ素敵な秋を運んだみたい。
アーサーくん、アントーニョくん、みんな…園芸部でまた頑張って育てていこうね。
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