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できそこないの狩人
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28 :
英
10/13-20:36
お国柄…なのか、この世のものでは無いと言われるようなモノと遭遇することが多い。
しかしこの世のものじゃ無いとは言うが、見えてる俺にとっては『世のもの』ではあるんだよな。他人には認められないだけで。
だが、大抵はそれがピクシーだったりフェアリーだったり姿形からして実在する生物とは程遠く、異なるものであることが多く、――或いは人型をしたものであったとしても、人型や獣のゴーストだったりした場合、俺が見れば確実に『それ』だと判ることが多いんだ。
今日、縁のあった人間を弔いに法要に行ってきた。
神前……いや、あれは仏前か。経を読み上げる中、焼香に席を立つと仏の前の焼香台に一匹の蟷螂が居たんだ。真っ白の、大きな蟷螂。
驚きはしたが退かすことはせずに焼香を終え、法事を終えた後に何気なしにその話を連れにしてみた。…が、誰一人そんな蟷螂など見ていないという。
俺もそれはおかしいと思い、再度台を確認したが矢張り居ない。回りに移動もしていない。焼香を終えてからずっと台を視界に入れていたのに、その姿がない。どういうことだろう。
―――まさか、あれもこの『世のもの』とは違っていたのだろうか。
蟷螂には預言者、の意味合いがあるらしい。
何か未来を伝えに来たのだろうか。だとしたら一体、なにを。
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