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一日の終わりに
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81 :
英
03/15-21:13
紅茶に一滴垂らしたミルクが渦を描く。
すぐに紅茶の飴色に混ざり消えてしまったため、もう一滴。ぐるりと円を描くように。スプーンで混ぜることもなく見つめれば、比重の重いミルクが濁りながら沈んでいく。カップの底まで澄んでいた紅茶が、すっかり淀んでしまった。
ティータイムに必須の茶菓子も、今日は用意していない。普段なら手抜きなどしないシルバーも、今日はどこかくすんでいる。磨きわすれているようだ。
ただ無心に淹れたティーだけは、長年染み付いた癖で一寸の狂いもなくいつも通りの味を舌に広げさせる。
眠りたい。今はただ只管に。
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