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スキのしるしのキス
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17 :
日
04/20-16:06
例えばあの日、私が手紙を送らなかったら。
例えばあの日、彼の方がお返事を下さらなかったら。
例えばあの日、出逢っていたのが貴方では無い他の誰かだったら。
例えばあの日、出逢っていたのが私以外の何者かだったら。
そのようなことを言い始めたら切りが無くなってしまいますね。
ですがこの瞬間に存在している以上、目の前には常に数多くの分岐点が広がっています。
今こうして私が筆を取り日記を綴っているのも、ある一つの分岐点を選び歩んでいるからなのでしょう。
もしも部屋の片付けを始めてしまったりお夕食の献立を考え始めてしまったら、恐らく筆を取ることすらなかったかも知れません。
そのように多岐にも渡る分岐点が溢れ返っている中で、あの冬の日に私は彼の方の元へ逢いに行き、彼の方は私の手を取って下さった。
きっとそれは奇跡にも近い確率で起こり得たとても尊い出逢いだったのではないかと、最近ではそう思えてならないのです。
>ねぇ、アーサーさん。貴方に出逢えて本当に幸せです。
奪って奪って奪い尽して。私を壊して下さいませ。
私の全ては貴方のもの、そして貴方の全ても私のものです。
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