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どうしようもない私へ
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127 :
氷
12/13-05:06
名前で、呼んでもらった。
暫く忘れていた、僕の名前だ。あの人が僕を、呼んでくれた。僕もあの人の名前を呼んだ、新鮮で、照れ臭いとあの人は笑った。僕も、新鮮で、胸が温かかった。
(暗転)
僕の身体は、あの人のものだ。壊すのも殺すのも僕がしちゃいけない事、大丈夫だよ、僕は何度でもあなたの元に帰って来るから。そうは言っても、あの人は僕を割れ物のように扱った。壊れないように殺さないように潰さないように割れないように、多分これは幻想なんだけど。
#***
「彼女」が愛して止まないあの子、かつては彼女の敬愛する兄が、愛して止まない人であった。彼女は兄からの影響を大いに受け、そして今もなお、あの子を愛し続けている。
そして僕と貴方は、愛を育むと同時に、彼女の駒でもあるのだ。「僕」は、「あの子」の代わりなのだろう。僕と貴方は、二人で理想郷を築くことが出来るのだ。そしてそれは、彼女がガラス越しに眺める事になる。
僕が此処に存在する理由すら、彼女の兄からの影響。僕たちは導かれて、此処に居る。こうして言葉を紡ぐ事が出来ている。
それでも、あの人はもう、過去に戻るつもりはないのだ。僕たちはこんなにも、過去を辿って辿って、辿り着いた先に居ると言うのに。
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