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どうしようもない私へ
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12/17-01:57
ねえおにいさま。
するりと抜け落ちてゆきました。
わたしはおにいさまのお姿を見たのです。こっそりとわたしはおにいさまのお姿を見たのです。なので、ですから、こっそりと見てしまったのですから、もちろんのことおにいさまは驚いていて、それでなお、わたしの知らないおにいさまのお姿がそこに。
踏み入ってはいけないと感じました、わたしはなんという罪をおかしたのでしょうか。わたしのおにいさまだと思っていましたが、わたしの知らないおにいさまなんていうのは、おにいさまでいて、そうでないおにいさまなんていうのは、何十人何百人といらっしゃるのです。
その事実を、あまりにも突然、あまりにも唐突に、わたしは知ることになりました。それはわたしの失敗でもあり、自業自得でもあり、わたしの過ちでもあったのです。
わたし、おにいさまに会うのが怖い。おにいさまはきっとなんとも思っていません。わたしはおにいさまが好きです、大好きです、ですが、もう、この気持ちはころしてしまったほうが、よろしいのでしょうか。
祝福してくださいました。とてもとても歪な笑顔で、祝福してくださいました。
おにいさまはおにいさまですが、おにいさまではありませんのよ。
(わたしだけの御人になってくださればよいのに、)
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