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どうしようもない私へ
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12/17-03:52


なんて残酷なんだろう。

相変わらず兄さんの面影を追い掛けている。兄さんの過去の記録に触れては、寂しい、愛おしいという感情が入り混じる。どうしようもない問題に、私は頭を悩ませているのだから、愚かでしかないのだろう。
泣いて縋ればいいのかい?兄さん、彼女を愛していた頃の貴方に戻っておくれと。そんな事をして、何になるのか。
だがしかし、やはり辛いのだ。私は兄さんが心底あの子を愛していたことを知っている。本当に本当に好きだったことを、知っている。その気持ちを向ける対象が、あの子から他へ変わっただけの事。それが酷く寂しい。悲しい。苦しい。私はだって、未だにあの子の事を愛しているからな。

思い出をなぞって、泣く。
兄さんを見る、あの子の話を時折、したりしなかったり。ただ恐らく、兄さんが自発的にあの子の話をする事は、もうないのだろう。ないのだろう。ないんだ。
私は満足しなければならないよ。兄さんの側に立って居ることに。彼の側に立つことを許された、一握りの数の中に、私がいるのだから。それで十分じゃあないか。


ただ、やはり、…………兄さん、ありがとう。愛する事を教えてくれて。

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