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どうしようもない私へ
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12/22-01:04



季節の話をすると言っていたね。
さあ、では綴ろうじゃないか。私的四季のお話を、あの子達と照らし合わせながら。兄さんが愛し、私が愛する彼らと共に。


【春】
桜が舞う季節だな。
私は桜が好きなんだ、在り来たりだと思うだろう。それでも好きなんだ。小さなカメラを片手に、思わず写真を撮ってしまうほどに。どうにかしてこの、美しい桜を残したいと思いながら。
春は暖かいから好きだ。寒い冬が終わって、春が来る。透き通った空を背景にして、暖かな日差しの中、桜の花弁が舞うんだ。絶景だよ。

あの人はきっと、春が好きなのだろう。生き物も動き出すからね。あの人は、動物や虫が大好きなんだ。嬉しそうに戯れている姿を見るのは、私は嫌いではない。

思い出すのは、あの日の事。
桜を見に行こうと、約束をしたんだ。あの人と。とても有意義な時間だった、とても、とても。私は忘れていないよ。そしてまた、新しい春も、貴方と共に桜を見ることが出来ればと。

**

さて、あの子たちには、春はどう映るのだろう。
春は新しい事がたくさん待っている時期でもあるね。それでもあの子は、変わらない笑顔を咲かせるのだろう。あの子たちは、桜を見上げて笑うんだろう。
そして、次の春には、あの子たちは、満開の桜の木の下で。別れの言葉を、会話を、零して、交わすのだろう。
悲しい春にならないように。さみしい春にならないように、君たちがずっと笑顔で居られる春になるように。私はずっと、ずっと見ているよ。兄さんの変わりに、私が見守って居るからね。
桜の花が舞う場所。あの子たちには、そんな場所だって、似合うのだろう。

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