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どうしようもない私へ
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01/02-22:26

なあ兄さん。
夏の、煌めく黄金の日々は、一瞬だったね。



なあ兄さん、こんな事なら私は、 
貴方を遠くから見ているままで、良かったのかもしれない。



(一休み)


なあ兄さん、兄さん、
私は夏に置いてけぼりだよ。あなたが愛した世界に、置いてけぼりなんだ。辛いよ、苦しいよ、泣きそうだ、泣いてしまう。なあ兄さん、兄さん…なあ、兄さん。なんで私は、ここにいるんだろう。なんでなんだろう。
夏から眺める冬の世界は、それはそれはとても辛いものだった。兄さんが、今、島国の彼に向けているその溢れんばかりの愛情は…昔は、どこに向いていたんだい。

兄さんの根本部分は全く変わらないんだ。見ていてわかる。全く変わらないんだ…だからこそ、私はこんなに苦しいんだよ。だって変わっていないんだから、何も変わらないまま、ただ兄さんが愛する対象が、彼女ではなくなった。ただそれだけなんだ。



兄さん。
あなたは私に、期待していないでしょう。もう、期待してないんじゃないかな、私はだって、夏の人間だったから。兄さんが冬の人間を見つけるまでの少しの間、私がそばに居ただけで、所詮私は夏の人間なんだ。兄さんが冬色に染まれば、私はもうあなたに取りいることも出来なくなるんだ。

なのに私は夏ばかり、夏が似合う、夏の世界の彼女ばかり、愛してしまう。それでいいんだ。それがいいんだから、私にだって譲れないものはあるさ。
だから私がこんなに苦しいのも、こんなに辛いのも、こんなに死にそうな思いをしているのだって、誰も知らない、知らない事実だ。結局のところ全部私のわがままだから。兄さんは愛の國だもの、私なんかじゃ、あそこまで大きな兄さんをどうこう、なんて出来っこない。


ねえ悲しい。とっても、とってもだ。いっそ貴方を知らなければよかったよ、私が私でなければ良かったのかもしれない。出会わなければよかった、そうすればこんなに、こんなにも出口のない暗闇で彷徨わずとも済んだのだろうに。

これから先私が夏の世界の住人で有る限り、私は悲しみ、辛い思いをして、また泣くのだろうね。でも構わないんだ、私が兄さんを愛していることも、私がこんなにも意味のない暗闇を彷徨っていることも、夏に恋をしていることも、冬色に染まることが出来ないのも、全部全部、自己責任だもの。勝手に一人でやっていることだもの。


知っているかな。
冬の世界じゃ、私は不必要とされているんだ。そりゃあそうだね、夏だから、私は夏色だから、あちらへ行くと世界を壊す事になる。


ああ本当に、なんで、こんなにもあなたが好きなのかな。
どうしようもないね。

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