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君と別れるまでにしたい100のこと
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10/16-11:50

その日、俺はお忍びで彼の596先に来ていた。

ドッキリでもしようと思ってね!いきなり執務室のドアを開けて抱き着いたら彼はどんな顔をするかな、
何してんだって怒る?それともびっくりしながら喜んでくれるかい?もしかしたらドン引きかもしれないな、なんて暢気に考えながらの不法侵入さ。
アポ無しにどうやって入ったかって?そんなの合☆衆☆国の俺に掛かればノープロブレム!

そんな中廊下の一角で彼の人名が聞こえて立ち止まった。
決っっして!盗み聞きじゃないぞ?部下にどう思われてるのか興味…いや、調査だよ。

> 「卿が御結婚されるらしい」

調査なんかしなければ良かった。
純粋にそう思ったね。
心臓も何秒かとまったんだぞ…あぁ自國は大丈夫だったかな。
聞き間違いなら良かったのに、一瞬で頭の中が真っ白になっても会話が続いて相手も大方の流れも、式の時期も俺は知ってしまったんだ。
現実を受け入れたくなくて、悲しくて悔しくて辛くて何が何だか分からない感情のまま俺は走って逃げ出した。

國に帰って泣きながら(女々しいなんて意見は認めないぞ!)考えたよ。
もう俺から別れを告げた方が良いんじゃないかって。
でもよく考えたら(ヒーローとして聞こえは悪いけど)不法侵入で勝手に知った自業自得な理由でいきなりさよならなんて身勝手過ぎる、向こうからしたら意味が分からないだろう。まず男らしく無いんだぞ。
だから彼からさよならを言われるまで俺は何も知らないフリを決め込む事にしたんだ。
何より終わりの見えてる恋愛でも手を離せない程、俺は彼を愛してるから。
せめて最後に「有難う、幸せだった」って言って貰える恋愛にしたくて。


俺達は所詮、國で人間では無い。國内の件については口出し出来ないしそして俺も彼も男だ。世間の目は冷たいばかりさ。
でも時間だけはずっと在って時が許す限り傍に居られると思ってた…いや、俺は盲目的になってそう思い込んでたんだ。若さってものは末恐ろしいね。
永遠の愛はタイムリミット付きの恋になった。

だからタイムリミットまで後悔が無い様に愛や幸せに想い出とか色んな暖かいものを彼に与えていきたいんだ、この本はその為のメモ書きみたいなものさ。


長くなったけど、これがこの本を手にした経緯。
悲恋じゃなく明るく楽しくをモットーにやっていくよ!

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