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マテ/リア/ル/ガールを夢見て
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2 :
英
12/04-19:26
ハイ、これを見てる誰か。
俺はアーサー。アーサー・カークランド。昼はコンビニ店員、夜はめかし込んでクラブやパブでダンサーをしてる。
ダンサーって聞くと煌びやかに感じるかもしれねえけど、そんなことはない。
俺みたいに所属なしで抱えてくれる店がねえやつは本当金がない。いつだって食う飯の心配してるようなもんだし、勿論貯金なんてあるわけない。
兄貴達は早く真っ当になれって言うけど、俺は学力もないし資格も持ち合わせてないし...正直この夜の世界にまだ憧れを抱いている大馬鹿だから無理だ。
ここはゴミ溜めかってくらい汚ねえ部屋に散らばる化粧品、メイクした残骸、インスタントのごみ、酒の缶。掃除したって仕事が入っちまえばすぐこの有様で泣ける。
俺の踊ってるダンスはロックでもポップスでもない。女のダンス。バーレスクだ。勿論男の俺の需要は皆無。バーだって雇っちゃくれない。衣装に化粧に金ばかり出て行く。
...本当は別にやめちまってもいいんだ。ダンサーなんて。向いてないって薄々気付いてきてるしな。毎回思うんだよ。女と違って踊る場所もねーし給料でねえ時あるしチップ少ねえし。俺より上手いやつなんかいくらでもいる。
でもそれがなくなったらと思ったら...俺って何も残らねえんだ。だから必死にしがみつく。そのためだったらパンツだって俺だって売ってやる。
いつか。
いつか絶対に、ステージのうえで客を見下せるような女王になってやるんだ。チップにまみれて高笑いしてやるんだ。毎日踊り暮らして、みんなに見られて愛されて。
馬鹿らしい目標だって笑えばいい。俺だってもう若くねえし、無茶だってわかってる。でも絶対に叶えてやる。
そして誰か俺のことを一番に愛してくれる人に出会って、やりたいこと端からやって...勝ち組になって死んでやる。
だから今はカップ麺でも我慢してやらあ。....まあ実際カップ麺って楽で美味くて好きだけど。
ここはそんな俺の毎日を綴る。誰か見てるんだろうなって思いながら。
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