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猫とバタートーストと仙人と俺。
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92 :
香
03/08-22:00
先生はくだらない妄想話や昔の恋の話は俺に聞かせるけど、現在進行形の相手の話はそんなにしない。
曰くノロケ話をするなら相手が居ないとこでするよりも、本人に直接聞かせる方が性に合ってる、だそうだ。
本人相手に直接ノロケるってそれ、ただ口説いてるのと何がどう違うんですかね。
でも先生は本人に伝えた時の相手の顔が見たいから、わざと本人にするんだってさ。
嬉しがったり、恥ずかしがったり照れ隠ししたりっていう、そういう反応に目の前でニヨニヨしたいんだと。
あれ、なんかオッサンくさくね?いやお爺ちゃんですけど。
>「人生も國生も、いつ何があるか分からねぇあるからな。
> 好きなら好き、愛しいなら愛しいと、率直にぶつけるのが我の主義ある」
へぇ。兄貴風吹かせてお山の大将みたくふんぞり返ってるわりに、ツンデレタイプじゃない的な?
>「我はツンデレじゃないあるよ。それに惚れ抜いた相手に想いを伝えるのに二の足踏みもしないある。
> まぁその分、想って、想って、想い過ぎて嫌われたくなくて苦しい胸を一人で抱えちまうような不器用な奴が、どうしようもなくいじらしく見えもするあるけどな。
> だが、今日伝えそこねた気持ちが明日になっても何事もなく届く保証、どこにあるある?
> 我等の生は、我等のためだけに生きられるほど甘かねーある。
> 不可抗力も不確定要素も山ほどあるある。天命は何一つ我たちの自由にはならねぇある。
> 第一この生の長さにおいちゃ、心から愛しい相手と寄り添っていられる時間なんざ、まばたきの一瞬もいいとこね。
> 時間はどんどん流れるあるよ。たった四千年で世界はこんなにも様変わりしちまったある。今日と明日は、決して同じじゃねぇ」
はぁ。何なんスかね、その妙に実感籠もった言い回しは。
ずいと俺の方に身を乗り出して、言い聞かせるように言葉を続ける先生。
>「香龍。お前はまだまだガキあるが、恋をするならその時は、ゆめゆめつまらねぇ意地や迷いに惑わされちゃ駄目あるよ。
> でないと絶対後悔する羽目になるあるからな」
お爺ちゃんが説教臭いのはいつものこと。
ドヤ顔で偉そうに笑ってるけど、それはアレか、その後悔とやらもがっつり実体験って話か。
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