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空腹
 ┗359

359 :独(乱入)
03/04-00:44

#Hallo, Arthur.
お前に手紙で綴ろうとも思ったが、妙に気恥ずかしさが先立ってしまった。乱入という形で、お前の手記に染みを付けた事を先ず謝罪しておこう。小言は後ほど、一語一句、零す事無く聞くこととする。


#こうして改めてお前に言葉を綴ろうと思うと、
何から書き出すべきか…悩んでしまって、なかなか筆が進まない。伝えたいことが山ほどあるというのに、俺の脳は、こういう時にはあまり働いてくれないようだ。俺が長らく不在の間、どれ程お前を不安にさせたのだろうか。お前の綴る言葉から汲み取るそれは、とても哀しい色をしていた。そうさせたのは紛れもなく俺であった事を、今、此処に立ち痛感している。59務の合間に、幾度もお前を自由にしてやるべきだと考えたが、俺には出来なかった。何よりもお前という存在を失う事を、こんな状況下でも恐れていたんだ。
>情けない話だろうが其れが真実だ。

#ずっとお前を此の手に抱きたいと願った。
お前のいないベッドはとても広く感じた。少しでもお前を感じたくて、音の殻に籠ったこともある。お前もこの曲を聴いていればいい、と勝手なことばかり考えて、只、お前を想っていた。気が付くと記念日が通り過ぎていたこともあった。毎月2回、祝っていた日が嘘のように、日の流れというものが変わっていたんだ。今でもお前に触れたい。俺はあの日からずっと渇いたままだ。

#お前はまだ俺の体温を覚えているか。
此の声も、瞳も、手も、呼吸も、俺の総ては、昔と変わらずお前のものだ。逆もしかり、お前は細胞一つまで、余すことなく俺のものだ。久しく手記なんて書いてなかったせいか、昔以上に表現するのが下手になってしまったな。此れをお前がいつか見たのなら、笑ってくれ。

>Arthur…愛しているんだ。
#俺の此の言葉にお前はどんな顔をするだろうか。
#お前の中の俺は今もまだ息をしているだろうか。

疑問ばかり脳裏に浮かぶのは、
俺の悪い癖というやつだな。

#お前という存在は今も俺にとっての光だ。
#だから狼は夜道で迷わず帰路に着ける。

>俺という存在は、
>まだ空腹の猫を満たしてやれるだろうか。

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