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Ringwanderung
┗10
10 :
独
08/19-20:49
微睡の中、久しぶりに夢を見た。
白鳥の里に聳え立つ城。
獅子と細やかな菱形で作られた、
2つの紋章盾が坐る扉を潜り、
且つては賑やかで有ったであろう、
騎士達の酒場跡と錆び切った武器貯蔵庫。
踏み出される脚は、
何かに誘われるかのようだ…。
二体の甲冑に挟まれた礼拝堂に、
響いていたのは亡き貴女の儚げな歌声。
まるで螺旋階段から降り注ぐ様だ。
其れは姿こそ無いものの確かに、
其処にあの人の影を作った。
手を伸ばせど手応えはない。
城内を当ても無く探し回った所で、
漸く俺は理解した。
…これは夢だ、と。
”Ich warte auf dich, Ich warte auf seine tod”
歌を締め括る甘い響き。
冷たく白く細い指に、
肩を叩かれて目が覚めた。
#実に後味の悪い夢だ。
>幻想と歌声、それから死神
- Fantasy und Singstimme, dann tod. -
俺はまだ滅びるわけにはいかない。
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