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Ringwanderung
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113 :
独
11/14-20:54
#20141114 20:54 - Leben -
夜風を纏って月明かりに照らされた道を行く。
0時を越えた街の暗さは言い知れない。明るいのはパブのネオンぐらいなものだろう。路地裏で野郎の血気盛んな声がする。猫は素知らぬ顔で目を光らせて影から影へと走り回る。目の前の街はカラーのはずだが、冬と言うのは不思議なものだ。いつもの景色がくすんで見える。皮膚から熱を奪われる様な感覚、呼吸をすれば身体の内側から冬が存在を主張する。ああ、また季節は移り変わったのだな。身体で感じなくては季節を感じる暇も無い。信号待ちで隣に立っていた老婆に言われ、初めて大樹の葉が色付いている事を知った。近くにあるもの程、目に付かないものか。はたまた己に余裕がないせいなのか。
>今年の雪はいつ降るのだろうか。
冷えた指先を擦り合わせながら寒空の下で考える。
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