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Ringwanderung
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191 :
独
02/03-00:06
人の記憶とは曖昧で、どんなに鮮明な記憶でさえも時と共に薄れてしまうらしい。92もまた然り。体に傷でも残さない限り、きっと少しずつ時間を掛けて忘れてしまうのだろう。どんなに忘れたくないと願っても記憶は至極曖昧に、時に脚色されてしまうのかも知れんな。だからとは言わないが、俺は記録として手記に納めている(無論此処の事ではない)。
過去に俺は彼の人の記憶が少しでも薄れてしまう事に恐怖にも似た感覚を持った事がある。独りで年を重ねる毎に、薄れていく記憶に寂しさを覚えた。忘れゆくのは俺自身だと言うのに、今思えば全く我儘なことだ。この世_界は不可思議で、俺も皆も、同じ顔の奴らなど山の様に存在する。ただ、違うのは其々が想う事を其々の言葉で紡ぎだしている、ということのみだ。彼の人と同じ顔の奴は沢山存在するが、やはり彼奴自体はもう何処を探しても居ない。柄にも無く泣き崩れた俺を、彼の人はどんな顔で見ていたのか。いや、一度滅んだものは転生などしないのかもしれんが、何処かで生まれ変わり生きていたらと幻想を抱いてみるのも悪くない。だとすれば、きっと彼の人も幸せな時を過ごしているに違いない。何故なら、お前が望んだ様に俺もまたお前の幸せを願っているのだから。
#お前が俺に託した歌の約束の通り、
俺は今宵、お前の為に涙を流すだろう。
Testament に託された約束は薄れること無く、
今も此の身に刻まれたままだ。
Mein Geburtstag
Schreien in einem Ort der Erinnerung.
Und bitte denken von mir.
>今夜は月がとても綺麗だ。
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