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Ringwanderung
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289 :
独
07/16-21:55
#20150717 21:20 - Leben -
天気が荒れて長雨が続いた朝は、地より沸き立つ様な土と埃の匂いが鼻腔を掠める。一般的には、雨の匂い、と称されるものだ。香/水やワイ/ンの分野では、この様な土や森林のような香りを「アーシ/ー」という。「Eart/hy」を表現する言葉としては、アカ/シアの森や古い森などの森が主だ。ふと思えば、世はこの種の香りに満ちている。
#例えば、
草木を踏んで作られた獣道に漂っている香り。
屋根裏の木々が湿気を帯びた香り。
訓練後に衣類に付いた砂の埃っぽい香り。
>それから、
夏の終わりにも嗅いだ事のあるあの匂い。思えば夕立の後はいつもこの香りがしていた。雨が招く、この独特な香りが俺は好きだ。この香りについては、発生理由が諸説有るようだがどの説にしろ吸い込み過ぎない方が良い、と言う。
#駄目と言われても嗅いでしまうがな。
>香りは記憶として残り易い。
空になった紅茶缶の蓋を開けるとまだ残り香がある。その香が鼻腔を満たすとお前と出掛けたあの日を思い出す。懐かしいという程、まだ時は経っていないはずだが、もうずっと昔の事のように思えるのは不思議だ。思い出の香り、というのも悪くない。
#些細な事だって思い出として大切にしたい。
それ以上に、
お前をもっと大切にしたい。
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