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Ringwanderung
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370 :
独◇
06/07-20:58
#20180607 20:58 -Leben-
久しくこの本棚へ足を踏み入れてはいなかった。昔から馴染みの本も有れば新しいものも見受けられる。どちらにせよ、いつの日も恋人たちで溢れているように思うな。俺と空腹英の関係はといえば長らく俺の留守が続いたせいで、今ではもうどう表現すべきかよく分からなくなってしまった。
彼奴をどう思うかと言われれば、俺は出逢った頃と変わらぬ感情を抱いている。しかし、年明けから今日まで連絡の一つも入れなかった手前、戯言のように思われるだろうがな。
>彼奴から離れていた間の話をしよう。
少しばかり時間が出来たと思った束の間、結局俺は再び忙しない日々に引き戻され59務に明け暮れていた。そんな日々の中にも彼奴の名残は凡ゆる場所に散らばっていて、彼奴の好きな紅茶も音楽も花もいつか見た風景までもが突然呼び起こされるんだ。
#まるで何かの呪いにかかったようだった。
彼奴に縋るこの手を離せたのなら、
どんなに楽だろうかとさえ考えるが、
今の俺には到底出来そうにない。
>深みへと嵌った代償か
彼奴と出逢い年を重ねる毎に俺は面倒な男へと成り下がっていったように思う。恐らく其れは前の手記を遡れば一目瞭然だ。いつ何時も優しく迎えてくれる彼奴への甘え以外の何者でもないこの事実に、俺自身、それが反吐が出そうな程嫌になる。
>そして、
お前と出逢った季節がまたやって来た。この季節が巡るとき、お前は俺を思い出してくれるのだろうか。お前の心にまだ俺の帰る場所はあるのだろうか。
#それを実際にお前に問えぬ俺は弱い。
思えば最近の俺はいつも自分の事ばかりだった。
本当に彼奴に伝えたいことはこんなことではないというのに、上手く此処へすら書き記すことができない。それでも俺は、性懲りもなくまた此処に想いを綴り続けるだろう。
>お前の手記が俺にそうしてくれたように、
しかし今日は長く書き過ぎてしまった。
#本日の手記はこれまでとする。
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