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MephistopHeles
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01/26-18:33

第6頁
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「家族会議を開催する事を決定した」
>2015-01-XX  15:00
 ヴェストの日記を覗き見してからずっ
 と考えちまってる。日記を開いたこと
 への罪悪感はこれっぽっちも感じちゃ
 いねぇ。寧ろこれは読んで正解だ。俺
 がたまたま見てなけりゃ、ずっと知ら
 なかったままの真実なんだからな。可
 愛い弟がマジで悩んでるってのに、張
 本人がこれじゃ仕方ねーしな。そもそ
 も兄貴の俺がヴェストを疑うとかマジ
 有り得ねーから。其れは説教してやる
 からな。取り敢えず、今日は真剣に話
 合わねぇとならねーな。状況はかなり
 最悪だ。記憶が無いとは言え、実の弟
 に手を出すとか…最悪過ぎる。しかも
 ヴェスト…俺、マジでヤッちまったっ
 て事なんだよな。ヴェストォオ!早く
 帰って来てくれ!俺はお前が帰ってく
 る前に罪悪感に押し潰されてぺちゃん
 こになっちまう。
>18:17
 ヴェストが帰って来た。顔をあわせる
 と直ぐに「何かあったのか」と問われ
 ちまった。日頃は鈍感な癖に、こうい
 う時だけ気付くんだ。後でちゃんと話
 すと言えば、ヴェストは一言だけ返事
 をして寝室へ消えた。それからの晩飯
 はいつも以上に…と言うよりは、全く
 会話が無かった。後で俺の部屋に来い
 とだけ告げて俺は自室に篭る。こんな
 時に寛げねぇからな。ヴェストの返事
 は無かったが、彼奴はちゃんと来るだ
 ろう。ヴェストはそう言う奴だし、何
 より「俺様の言葉は絶対」というのが
 実は昔からの暗黙の了解だったりする
 んだ。子供の頃に覚えたことってのは
 そう簡単には忘れられねぇらしい。特
 にヴェストみてぇな堅物なら尚更だ。
>20:30
  「兄さん、入っていいか」というヴェ
 ストの声がした。「Ja」とだけ返事を
 すれば、直ぐに戸は開かれた。ヴェス
 トの奴、すげぇ深刻な顔して俺を見る
 んだ…こっちまで緊張しちまうだろう
 が、家族とは思えぬこの凄まじい緊張
 感。まるで敵地に単身で立たされた気
 分だ。俺が彼奴の日記を差し出せば、
 顔色一つ変えずに「中を見たのか」と
 問われた。いつの間にか、ヴェストは
 大人びた表情を見せるようになった。
 なんて呑気なこと考えてる場合じゃな
 ねぇよな。頷く俺にヴェストは力無く
 膝から床に落ちていった。まるで神に
 懺悔でもするかの如く、強く床に額を
 押し当てて、其れを俺はただ黙って見
 てる事しか出来なかった。
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