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MephistopHeles
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01/22-21:19

第5頁
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「弟の連日の不審行動についての考察」
>2015-01-XX 09:17
 変な夢を見た日から数日が過ぎたんだ
 が、相変わらずヴェストの様子が可笑
 しい。最近じゃ僅かだが変な距離感を
 感じる気がすんだよな。心なしかヴェ
 ストの目の下が薄っすらと青白いな。
 彼奴が寝不足だなんて…体調管理がど
 うとか何時も言ってる奴が珍しい事も
 あるもんだ。そんなに最近忙しいって
 事か…こりゃ、少しは俺の出番かもし
 れないな。取り敢えず…食器片付ける
 か、ッて…痛ぇな。いつの間に手の甲
 なんかに傷出来たんだ…水が滲みて痛
 ぇよ。くそ、誰だ。ベル_リッツか?
 いや…アス_ターか?最近、歳のせい
 か治りが遅いんだよな。取り敢えず、
 バンドエイ_ド探すか。
>13:00
 多分寝不足気味だろう可愛い弟の為に
 格好良い兄貴である俺が人肌脱いでや
 った。不眠にはエ_ルダーフラワーコ
 ーディアルが良いらしい。ちょっくら
 店まで行って買って来た。今夜はこれ
 であいつにハーブティーって奴を淹れ
 てやる。これでヴェストの安眠は約束
 されたも同然だ。俺は何て素敵な兄貴
 なんだ。彼奴の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
>18:00
 今日はヴェストの帰りが早かった。簡
 単に二人で夕食を取る。毎度の事だが
 食事中に会話がない。思えばヴェスト
 は昔からそうだったな。黙々と食事を
 する。シンとした部屋に時計の音だけ
 が響き渡って、なんか嫌な感じだ。そ
 う思うのは俺たちの変な距離感のせい
 かもな。「今日ぐらいは片付けやって
 やるから、シャワー浴びて来いよ」と
 か俺が言ってやったのにヴェストは、
 「大丈夫だ。そんな手でやらせるわけ
 にはいかない」隠してたはずの傷が、
 バレていたらしい。あっさり皿を持っ
 て行かれちまうし、兄の威厳皆無だ。
>20:00
 シャワー浴びて部屋に戻るとヴェスト
 はもう部屋には居なかった。自室に居
 ったらしい、また書類でも作ってんだ
 ろうな…多分。少しは休めと言いてぇ
 が、今はそんな場合では無いってこと
 に違いない。取り敢えず、俺が今日買
 ってきた奴でハーブティーを淹れてや
 るからな!紅茶みたいにやればいいの
 か…ま、なんとかなるな。
>20:30
 「ヴェスト、入るぞ」ノックしてから
 部屋の中に入れば空かさず「もう入っ
 ているじゃないか」とヴェストが振り
 返った。茶を持つ俺の姿を物珍しげに
 見てて、ちょっと俺は心外だと思った
 が…寛大な心を持って今日は許した。
 「眠れてないのか」って聞けば「大丈
 夫だ」と言う。視線は合わせない。嘘
 だ。ヴェストは嘘を吐く時に必ず目を
 反らす。だから直ぐに分かるんだが、
 気付かない振りをするのは兄なりの気
 遣いだ。本当は無理して欲しくねぇん
 だけどな。俺が言った所で素直に言う
 事を聞く奴でもない。茶を置いてから
 軽く肩を叩いて部屋を出た。邪魔しち
 ゃ悪いし…俺は俺で自室でのんびりし
 てからおやすむぜ。
>21:00
 暇だ、俺は今とても暇している。ヴェ
 ストは部屋に篭っちまってるし、何か
 やる事ねぇかな。パソコ_ンを弄って
 みるがやる事は何もねぇしな。あー、
 つまんねぇの。
>22:00
 部屋のベッドで今、この日記を綴って
 いる。今夜は何時になく静かで眠気を
 誘うには十分過ぎるぜ…目を閉じたら
 間違いなく眠れる。そんなわけで、今
 日は早めの就寝にする。
>2015-01-XX 09:00
 いつも通りヴェストを見送ってから、
 朝食を食ってのんびりしていた。小鳥
 が視界をバタバタと意味深に飛ぶもん
 だから「なんだよ」って聞くと着いて
 来いと言わんばかりに誘導された。小
 鳥のくせになんか偉そうだ。着いてっ
 た先はヴェストの部屋だった。いつも
 鍵が掛かっているはずの其処は扉が微
 妙に空いていた。鍵掛け忘れるとか余
 程疲れてんだな…だが、此れはチャン
 スだ。お兄様が可愛い弟のプライベー
 トな部分を調査してやるぜ。でかした
 ぞ、小鳥!流石は格好良い俺様に似て
 優秀だ。さて、どっから見てやろうか
 …好きな女の一人ぐらいいんだろ、ヴ
 ェストの奴。あ、こんなとこに日記帳
 発見。ちょっとぐらい覗いたっていい
 よな。
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