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[ curinga. ] _〆
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38 :
葡
09/02-21:54
埃が溜まりに溜まっとう床。其処に、足跡が残っていた。付けられてから僅かながら時間が経ったのだろう、ぼんやりと霞んだ足跡。其れは、一年以上訪れのなかった彼奴の来訪が、確かにあったという証明で。
…なあ、俺は気付いたで。数ヶ月、掛かってしもたけど。お詫びにテーブルに花束を置いてきたんよ。早よ気付いてや、話したいねん。
忘れられたと、思っとった。正直俺はもう使わんやろうと部屋の鍵を引き出しの奥の奥の方へやってしもて、探すンに時間が掛かった。まさか、帰ってくるとは、──否。そういう奴やった。
一年越しの会話をするんは初めてや無い。御前が居るから戻ったと、あの時お前は迷いも恥ずかしげも無く言うたんや。全く、これやから男前は!
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色鮮やかな本棚に並んだ沢山の帳面。俺の帳面の近くにあったンを一冊手に取ってみたら、偶然にも、彼奴やって。
俺な、気付いとったんやで、知っとった?
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不安そうな顔がいとおしい。嫉妬に揺らぐ瞳に興奮する。趣味悪いて?褒め言葉やね。
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