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Subterranean Rose
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英◇
03/15-22:07
肉欲の伴わない俺の恋と言うものは、平たく言えば、一番になりたいという欲求に他ならないのだと、漸く理解するに至った。
そりゃあハグ位はしたいと思うし、テディベアの代わりに抱き締めて眠ったならさぞ寝心地が良いだろうとは思う。
だがキスがしたい訳でもないし、セックスも然り。出来ないことはないが、進んでしたいとも思えない。
だったら恋人でなくとも、恋と名付けなくとも良いのではないかと思うのは必然のことだろう。
けれど、友人、或いはそれより上の親友だとしても。いつか恋人が出来たら、恋人に掛かりきりになって、見向きもして貰えなくなるのだろう。俺はそれが怖かった。
恋人、恋人でなければ。繋ぎ止めておくことも出来ない。一番に優先してもくれない。独り占めだって当然、出来はしない。
そんな打算と妥協と焦燥に塗れた、歪な感情は、好きだという一言だけで、伝わる由もない。伝えられる筈もない。
そんな歪な感情の果てに、罷り間違って恋人という名目を手に入れたとして、こんな歪な感情では幸せになんてしてもやれないと、誰よりも俺自身がよく理解して居るから。
そう、こんな歪な感情は、静かに埋葬するより他なかったんだ。
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