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ツキ合わせた拳
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6 :
英
05/26-01:38
俺には恋人がいる、菊だ。
童顔で俺より小柄で、だけど立派な成人男性。
家に帰り着くのはほとんどの場合俺の方が後で、帰宅後は菊にただいまと声をかけるのが日課になっているのだが、今日はそのやり取りの中で事件(?)が起きた。
#今から風呂に入るからいい子で待っていてくれ。
いつも通りにI'm home!と声をかけて、ついでに上記の一文を付け足しておいたら…
#はい、(省略)、御主人様。
と、返ってきたんだ。
ご…御主人様ってお前、…正直いいな(デレ)
もうな、余りに驚いて三回ほど手紙を見直しちまっただろ。
御主人様か。菊に執事の格好をさせたらかなり似合うだろうな。白と黒のみのあの服が、漆黒の髪と瞳によく合いそうだ。
メイドって方向もあるんだろうが…。女装に関しては、生憎(?)する趣味は勿論させる趣味もないから却下な。
真っ白なシャツを着て、黒いネクタイと上着をスマートに着こなして。
そんな格好で目覚めの時間に優しく起こされようもんなら、俺はもう息絶えてもいい。もはや何の未練もない。
>…あ、前言撤回。本当は嘘な。
菊ともっともっとキスしたいし、ハグもしたい。もちろん、それ以上のことだってな。だから×ぬのは御免だ。
今の今まで守り続けてきた国/土と国/民のためにも、俺はまだまだ消える訳にはいかねえ。
まあ、現実問題として起床時間は俺の方が早いから無理だろうな。だけど、夢見るだけなら自由だろ?
実際の手紙には、御主人様のあとに『なんて。』とか何とか書いてあったように思うが、(俺にとって)不要な三文字は綺麗さっぱり脳内削除しておいたぜ。
あと、菊宛ての手紙はさっき返したんだが、御主人様云々については敢えてスルーしておいた。
あの一言を貰ってから早くも約二時間半。あいつも決死の覚悟で言ったんだろうがな。俺がどんだけ発狂したか思い知ればいい。一種の晒し刑だ、ばかぁっ。
この日記の存在は作成して直ぐに知らせてあるし、見てくれているみたいだから早々に気付くだろ。
なあ、菊。
一日だけでいいから俺の執事になってくれよ。
#追記
#10分もしないうちに気付かれた。さすがに早すぎだろ。
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