一覧
┗
目隠し、
┗30
30 :
英
03/05-15:49
>便りが無いのは元気な証拠。
此の間庭に立派な梅が咲いたのだと日_本に呼び出され、縁側に二人並んでのんびりティータイムを過ごしていた時、奴はこんな事を言っていた。
日_本には長らく連絡を取って居ない恋人が居るらしく、其れについて尋ねた時だった。
#「便りが無くとも、彼が元気ならば良いのです。若しも私に厭いて了って、連絡が来ないならば其れでも。…待つ事は、苦では在りませんよ。だって其の間ずっと、私は彼に恋を為て居られるでしょう。彼の手で終止符を打たれるよりはずっと、ずうっと良いのです。」
俺には判らなかった。献身なのか、犠牲なのか、将又奴の驕りなのか、我儘なのか、陶酔…倒錯の類なのか。判らなかったので、そうか。と一言返しただけだった。用意して呉れた餅が喉に詰まり掛けて居た事も手伝って其れ以上、止めろも進めも正解も不正解も言葉を紡げ無かった。何故なら其れが奴の純愛で在るならば、尊重したいと思った。餅は一寸トラウマになった。
其処迄の恋が出来る事を少し、羨ましく思いながら庭で揺れる梅の花を眺めて居た。
>---------------------<
日_本が久々に部屋の掃除序に恋人に連絡を取ったと聞いて。思い出した。
何となく無粋な気がして、返事は?とは聞けなかった。
>---------------------<
人の恋の話を聞くのは好きだ。
判らなくとも其処に気持ちを添わせて、温かい気持ちにさせて呉れる。
温かくて柔らかくて、眩しくて、羨ましくて、まるで春みたいな心地になって、独りを自覚して切なくなって苦しい思いをする所迄ワンセットで好きだ。
俺は未だ心の軋みと痛みを感じられる。
[
返][
削][
編]
[
戻][
設定][
管理]