一覧
┗
速贄
┗18
18 :
立
10/20-03:08
芽吹いた嘘の木を眺めている。口には出ない本音を紡いでネックレスにしたら、とんでもない長さになるんじゃないか? そんな余所事に意識を向けながら、育つ嘘の木をひとりで眺めている。種を蒔いて水をやるあのひとはいつ気付くんだろうか。もしかしたらその時まで気付くどころか思いもしないのかも知れない。枝葉を伸ばす嘘の木のいばらに痛めつけられている憐れなむくろは、いつしか砂になる。さよならの足音はしない。だって、それが『さよなら』なのだから。
[
返][
削][
編]
[
戻][
設定][
管理]