薔薇を摘んだ野獣の噺

8 :英
07/03-01:29

#風邪
ひいた。
ここ数年風邪なんてものとは無縁で過ごしていたのに、ついに引いてしまった。
先月はかなり忙しかったから、それが通常の業務量に戻ったことで気が抜けたのかもしれない。
慢心は油断の元、っていうことを忘れていた。
ふらつく足取りで帰った場所はあいつの元で、こんな時にも変わらない自分の行動に思わず笑ってしまった(ところで酷い咳に見舞われたのはここだけの話)
そんな体調が絶不調な俺に驚きながら出迎えて、せっせと俺の看病しながら何故か申し訳なさそうな顔で謝ってくるあいつが心底不思議で首を傾げると、どうやらこうして話していることで俺が休めていないと思ったらしい。馬鹿だよな。
俺が会いたいから帰ってきたわけで、会いたくないなら初めから帰ってきていないのに。
これはまごうことなき『俺の為』にしたことだ。(と、ちゃんと本人にも伝えた)
それに、あいつの手は冷たくて気持ちが良い。
今は病人ってのを理由に堂々と甘えられる。
だから、この風邪が治るまでは沢山看病してもらわないとな？
>不純な考えを腹のそこに持ちながら考える。
>その考えがバレたところで、あいつに逃げ場なんてないけど。

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