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恋人ごっこはもうお終い
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96 :
菊
09/06-18:11
#備忘録[十二]七夕の夜に縁側で
七月七日、お天気に恵まれ星が綺麗に瞬く夜は、年に一度の特別な逢瀬の夜です。七夕伝説にあやかって恋する方々がこぞって笹の葉にロマンチックな想いを託し、恋しない方々もロマンチックだったりそうでもなかったりの願いを託し、何にせよ色とりどりの鮮やかな短冊がもっさりと夏の夜を彩る楽しい七夕祭りです。この頃ぺんぺんさんと私はお付き合いを始めて一月と少し、もう何がなんだかわけがわからないほどらぶらぶしていました。お揃いの浴衣を着て短冊を飾りに行きましょうねと約束をして、しかし例によってぺんぺんさんが出かける前にえっちしたい♡と言い出し、私の心は盆踊りふぃーばーでしたがそこは態度に出さないように笑って頷くだけに留めます。今夜ばかりは男前な私を貫くのです。
…このように意気込んでいた私ですが、この後ある馬鹿馬鹿しい行動によって倒れ、ぺんぺんさんに多大なるご心配をおかけし、七夕は終わり、しゅんとします。しかしこれより綴る事は引き続き七月七日の出来事です。七夕の夜の出来事なんです(大事)
その節は実にすみませんでした…(しゅん)
風鈴が涼やかに揺れる縁側にふたり並んで星を眺め、お空のふたりも今頃いちゃいちゃしているんでしょうねぇと天の川の畔に思いを馳せながらぺんぺんさんと私は杯を交わします。よーく冷えたお酒が心地よく喉を下りてじんわりと熱く体の芯が火照り、ふと隣を見るとぺんぺんさんもほろよいらしくほんのりと紅く頬が色づいていて、結髪からほつれた後れ毛や艶やかな浴衣に映える白い項、星の輝きを映してキラキラと光る潤んだ瞳に、しっとりとした色気を纏っていました。以心伝心。触れ合った指から、交わす視線から、お互いの気持ちがありありと伝わるようでした。そうです、私たちの想いはひとつ。
「 えっちしたい。」
七夕らしい語らいもそこそこに着たばかりの浴衣を乱し、ぺんぺんと私は激しく求め合いました。ふたつの情熱が燃え上がってひとつの大きな猛火となるように、交わり、混ざり、奪い与えては分かち合う情交。繋がったそこから心をあまねく満たしていく愛。私の種を貴方のなかに。もっと奥へ、奥へ、内臓深くまで私の遺伝子を擦り付けて、植え付けて、実は生らなくても構わないから。
そんなことを思って抱いていたからでしょうか。いえ、新しく試みた体位のせいもあるかもしれません。入ってはまずいところまでごりっと抉ってしまったような感触があっていささか肝が冷えましたが、ぺんぺんさんはとても気持ちよさそうにお潮を飛ばしていたのできっと大丈夫だったのでしょう。流石にその後しばらくは足腰ガクガク状態でしたので結局この日はお祭りには行かず、縁日でぇとはまた別の日に、ということになりました。
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