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Alstroemeria
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35 :
Arthur Kirkland
11/08-02:33
[] 2018.11.8 02:25 []
彼奴の総てが欲しいと願うには遅く、先に手を振り払ったのは俺なのに、それでもと手を伸ばす滑稽さに我ながら笑いが出て来る。
──なんて格好付けて言えば少しはイケメンに見えるだろうか。
次から次へと溢れる欲は留まることを知らなくて、一つが手に入ればまた一つ。それも手に入ればもう一つ。
湧き上がる欲に窒息しそうになってどうしようもない。
一度強請られた物を与えてやらなかったのは間違い無く俺で、それをくれてやるから寄越せというのはまるで餓鬼の言い分だ、と彼奴に言われて気付いた。
盲目ってのは本当に何も見えなくなっちまうから助かる。
総てを差し出し、彼奴が笑っていれば良いと望んだのは俺で、その望みはいつまでも色褪せる事が無い物だ。
だというのに、欲っつーのは本当に厄介だと再認識して反省した。
漸く彼奴に総てを差し出せたのだから、後は彼奴を幸せにするのが目標。
彼奴が笑顔で居られるように、もっともっとイケメンにならねえと…。
目指せスパダリ。
…明日どんな顔して逢いに行こうか。謝っても不快にさせるだけだしな…。何食わぬ顔もそれはそれで自分に腹立つし。
考えてたら眠れんのか俺。ちゃんと眠って起きて、また彼奴の顔が見たい。
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