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Alstroemeria
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37 :
Arthur Kirkland
11/14-01:33
[] 2018.11.14 01:25 []
彼奴が寝てしまったから俺も偶には早寝しようとベッドに潜り込んで眠っていたら…。
──彼奴が、居ない夢を見た。
何度呼んでも返事が無くて、部屋の中は空っぽで。まるで最初から彼奴なんて居なかったんじゃないかと思う程に何もかもの痕跡が消えて居て。
ただ只管誰も居ない部屋で呆然としている夢だった。
別に喧嘩をした訳じゃない。雰囲気が悪い訳でもない。
今日も一日幸せだった。
なのに、何であんな夢を見たのか。
不安の現れなのか、大切だと再認識の為か、夢は所詮夢だとは思うが、寂しくて。
起こす訳にも行かず寝顔を眺めては安堵した。
付き合う前の事を思い出したからだろうか、こんな夢を見たのは。
付き合う前も、幸せだった。
毎日下らない話をして、笑い合って、時には喧嘩をして。
行かないで、と泣いた彼奴を思い出した。
居ないのは嫌だと、失いたくないと、珍しく感情を露にして泣きじゃくる彼奴を思い出したら、抱き締めたくなった。
まるで餓鬼の頃に戻ったように。
あーあー、これ明日の朝怒られるパティーン。
運命の日まで後五日。
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