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ultimatum.
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10 :
Kiku.H
08/21-07:35
空っぽなんだ。横になった彼がぽちくんを抱いたままぽつりと呟く。背中を向けている所為で、此方から彼の表情は窺う事は出来ない。空っぽなんだ。どうしてですか?あの人が居ないんだ。どれだけ呼び掛けても気付いたら居なくなっていて。だけど不意に、気付いたら傍に居てくれて。愛しい。愛してる。だから、空っぽ。力なく紡がれる言葉は、未だに彼の気力が回復していないその印。静かに茶を啜る私を待つように、彼の言葉が途切れた。ねぇ、どうしたら塞がる?何なら埋められる?さぁ…どうでしょう。苦しい、寂しい、痛い。彼がこれ等を口にしなかっただけ良かったでしょう。これだけで潰れられては皆立場がありませんよ。焦がれぬには、必死に目を背けること。気持ちから、面影から。そして、押さえるしかないでしょう。
待てば来てくださるのですから、それだけマシではありませんか。私が口に出来たのは、その一言のみ。
>私はいつから“空っぽ”でしょうか。
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