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折れる
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206 :
塞
06/24-19:46
息継ぎも忘れて沈んだ海の中で、底にすら着けずに漂い続けている。どちらが北でどちらが南で、そもそも私はどこへ行けば良いのかさえ胡乱なまま、ずっと静かな海を彷徨っていた。色々なものを壊して崩して沈めて、すっかり錆び付いてしまった回路だとか機構だとか、そういったものを野ざらしにして触れないまま、朽ちることもない瓦礫を放棄して、何をするでもなく、ただただ佇んでいた。ずるい大人になってしまった自覚はあるのに、そんな大人にはなりたくないと反発したがる子供が胸の内で声を上げているみたい。
波を見たかった。空も見たかった。砂浜にもう二度と立つことがなくとも、無音の深海より、騒ぐ浅瀬の水音に触れたかった。懐かしんでなぞることさえやめた私にはそんな資格さえないかも知れないけれど。
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