折れる - 日記2

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┗折れる(185-189/208)

189 :米
03/22-19:27

　月が好きなんだよ。星が好きなんだ。宇宙が好きなんだ。あのまるい月に行って、シャトルを抜け出して、クレーターに隠れたらどうなるだろう。ねずみはいるかな。月が本当はチーズなんだって証拠は見付かるかな。何十年かして、月に住んだ俺を誰かが観測して、ある日論文を書けばいい。

　月が細く細くチェシャ猫みたいになっちゃったら、俺はその分ダイエットをしなくちゃいけないのが難点だ。

[返][削][編]

188 :米
03/22-19:08

　長いことセキュリティブランケットを手放せないでいる。それが意味する精神構造や心理分析なんかには敢えて触れないまま、一人きりのベッドでそいつを抱いて横になる。安心するとかしないとかそんな凹凸は無くて、無いことがそもそもイレギュラー。おひさまの匂いがするタオルケットじゃあ意味が無くて、くたびれたブランケットだから意味がある。出張先のホテルは物足りなくて寝心地が悪いし、力ナダの家に泊まった時だって空白は際立って肌寒い。場所も、時も、全部関係無いんだ。足りない、せつない、落ち着かない。ベイビー、だから今日もそばにいて。

[返][削][編]

187 :米
03/17-19:04

　パンクした。膨らませ過ぎたんだ。もう入らないよって警告することもなく詰め込み過ぎたそいつは呆気なく弾け飛んだ。くそ。滅茶苦茶にしてやりたいと思って拳を握ったら、指は小刻みに震えてた。全部暴いてやりたい。この震える指で皮を剥がして肉を千切って全部全部奪い取るんだ。くそ。歯痒い、もどかしい、掌握出来ないことは嫌いなんだ、まるで子どもの頃に戻ったみたいでさ。許さないとか許すとか、怒るとか怒らないとか、そういうのとはまた違う。哀しいがきっと近いし、この気持ちは一度治ってもまたぶり返すんだと思う。好きだけど、同時にすごく苦しい。爆発した奔流からは逃れられないから、煙に燻されながら恨みごとを綴る。つらい、

　彼を殺／し／て俺は宇宙に漂うゴミになりたい。

[返][削][編]

186 :米
03/16-08:15

　ホラー映画を見て寝ると怖い夢を見るってトリビアはもっと周知された方が良い。悪夢を見ると気分が沈むし、何より起き抜けの不安感がひどい。汗でシャツやシーツはぐっしょりだし、熟睡感はないし、息苦しいし、薄闇の中でスマートフォンをまさぐる手も荒っぽくなるってもんだ。いまが何時か何日か、って情報すら抜け落ちるくらいなのだから、何から何まで不安に溢れるのは仕方がないことだ。怖いなあと思ったとき、真っ先に頭に浮かんだのは、取り敢えずお昼においしいハンバーガーショップに行こうということだった。ピクルス増量で！

[返][削][編]

185 :米
03/15-05:53

　ミネラルウォーターを一箱。
　どうしたら洗い流せるか悩んでいるところ。どうしたら削ぎ落とせるか考えているところ。きりのない嘘を吐くのはやめで、笑えない冗談に逃げるのもなし。正々堂々勝負するお相手は、まだリングにすら上がっちゃいない。ダンスの踊り方を思い出して、ステップを踏んだ先で滑ったりしないようにきれいに床を磨くんだ。そんなしごと雇われ掃除夫に任せればいいんだよってボスは言うけど、俺の手で磨かなくっちゃ意味がない。

　ミネラルウォーターを一箱。
　手が汚れてしまったら、洗い流せば良い。そんなこと五歳の子どもだって知っている。間違っても手の皮を削ぎ落とそうだなんて考えたりはしないさ。嘘なんてもとより吐いてないし、冗談は、まあ、良いじゃないか。対戦相手はここ。鏡の前で仁王立ちして、暗い顔して笑ってる。だから俺は言ってやるのさ、笑うな、一ガロン分泣いてみなって。踊れない時は踊らなきゃ良いし、滑った時には素直に謝ればいい。ついてるかどうかも判らない垢を探して床と睨めっこする暇があったら書類の片付けをして、それから彼とのデートの誘い文句をこっそり考えるんだ。

　ミネラルウォーターは要らない。
　泣きたい時は泣けば良い。笑いたい時は誤魔化すな。日々生まれては薄れていく感情の波を縫って、いびつでも良いからクロスを編もう。じゅうぶんだ。過ぎるくらいに満たされる気持ちを抱えて、迷子になるのも楽しもう。それでいい。それがいい。妥協じゃなくて、目標地点。

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