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Cockaigne
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55 :
英
03/16-02:29
指で梳く様に髪を撫でて、指先に掠めた耳朶をなぞって耳の裏側から首筋を辿る。そのまま掌で頬に触れ中指で目許をなぞり、人差し指で鼻筋を辿る。両手の親指の腹で唇から顎を撫で下ろして喉元に触れ、鎖骨の窪みまで。首筋から肩へのラインを指の付け根で撫でていきながら肩の厚みを確かめる様にやんわりと掴んで、Vの字を作るように厚みのある胸板に掌を滑らせ鳩尾を中心にXの字に。指先から脇腹を目指して腰に腕を回して身体を寄せていく。
……つまり、あいつに触れたい。
どうしてかは分からないが、俺の中で最愛の身体はトルソーのイメージがあって、首から腰までの造形しか浮かばない。別段困る訳でもねぇし現時点ではこのままでも良いかとも思うが、トルソーの身体にプラスして、蜂蜜漬けにされてんじゃないかと思う程甘ったるい言葉を紡ぐ良く回る舌とか、少しかさついた指先と堅くて温かな掌。細くも太くもなく筋がはっきりと浮き出る腕。……うーん、腰から下がまったく浮かばないってどうなんだ。歩幅は広そうだとか、踝の窪みは綺麗だろうなとか足の指の形はとか…、つまり足元は何となく頭に浮かぶんだが腰骨から足首までがまったく浮かばない謎。
関連付ける記憶がないからか…?いや、それにしても…。
髪を撫でるとか頬に触れるとか、抱き締める抱き締められるとか、上半身は何らかの行動を伴って最愛の存在を感じられる何かをしてきてるが、下半身は…あまり記憶にない気がする。不能呼ばわりしてる俺がいけないのかもしれないけどな。足を組むとか膝に座る……は重いとか言われたら腹立つから却下するとして、離れる事が滅多にないから歩く姿なんかも見た記憶がない、様な。トルソーが宙に浮いてる筈もないし足はあるんだろうが、思い描けないのは困った。かもしれない。
…いや、別に困らないか。
あいつが帰ってきたからペンを置くべきか迷ったが、まぁ…いいか。眠くなるその瞬間まで最愛と話していたり、最愛の事を考えていられるのは幸せだと思う。俺は、な。
しかし、夜中だからか、ただ単に欲求不満だからか、妙に思考がエロスに偏ってく気が…いや、元々かもしれないな。取り合えず最愛の意見や感情、行動諸々は関係なくあいつの身体に触れたいと思うし、舌を這わせたいなぁ、と何となく。甘噛みすんのもいいなとか(でもやっぱり腰から足首までの部位にどうこうが浮かばない)(あ、いや、足の付け根あたりの皮膚の薄い部分に思いきり噛みつきたいかもしれない)。俺は基本的に舐めるのが好きなんだろうな、つーか舌を這わせて甘噛みしてれば多分自分の中ではかなりの確率で満足出来る気がする。最愛が反応を返してくれなくても、俺だけは楽しい。極端な話だが熟睡してるあいつの身体に掌を這わせて舌を這わせて、起きるか起きないかのラインを探すように甘噛みしてればそれだけで楽しいかもしれない。まさかそんな自慰紛いの行動やロルを最愛に送ったりしないけどな。
結局のところ、愛してるの言葉を遠回りさせただけ、か。
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