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帰って来いよ、アプリコット。
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3 :
西
08/01-01:16
記憶のつっかえ書いてみよかシリーズ第一回いくでー!
>第二回は未定。寧ろ企画倒れの匂い。
昨日59務の合間に休憩しよ思って、近くの店まで歩いてた時の話やねんけどなぁ。
でっかい通りんとこからちょお外れた道の左右はな、良う言うたらレトロな家やらビルが並んどる。一応俺んちの都心部やしそれなり発展しとる区画の筈やのに、ジャングルかーっちゅう位放置された庭だのが遠目に見えたりすんねや。せやけど毎度、なんや洒落っ気のないその感じが妙に落ち着いたりしてもーたりラ○バ○ダリ。はは、ええ加減古いわ。俺流行疎いねん。
ほんで道すがら、
ふと目ぇやった所にそいつは居った。
例に漏れず人が住んでる雰囲気皆無な荒れ庭の一軒家。門には錆の浮いた蛇腹な可動式の柵が付いとる。柵の向こうには一台停められる位の駐車スペース。想像付くやろか?説明苦手やねんなぁ。
>まあ、
そこに黒い猫が一匹陽向ぼっこに転がっててん。多分若干歳食うてる感じ、頭に小さい古傷、毛並みがあんまし良うない。
空は青いし風は通る、荒れとっても庭の緑は穏やかな気分にしてくれる。
なんや長閑でええなあ、てほんわかしながら通り過ぎて飯食いに行った。
そのまま戻って馬車馬よろしく働いて、解放された時にはとっぷり日ぃ暮れとった。
ほんで帰り道歩いとったら、
まだその猫、同じ場所に居ってん。
但しな、昼とは様子が全然違った。
寄りかかって寝とった柵の外からな、丁寧にお座りして敷地の中見詰めててん。
そこは大してデカない道やし、通り過ぎんのにある程度近寄らなあかんかったんや。
ほんでもそいつ、置物みたいに動かへん。パーソナルスペース(て言葉を猫相手に使ってええのか分からんけども)のギリまで寄ったっちゅうのに、こっち見もせぇへん。普通の猫やったらぎょっとして逃げてく距離やろうに。
なんやそれがざわざわしてな、
#「お前まだ居ったん?」
て、思わず声掛けてもうた。はは、相手は猫やねんけどもなぁ。
ほんでも、微動だにせぇへん。人の気配のない家をじぃっと見つめたまんまや。
辺りは殆ど灯りも無いし真っ暗や、真っ黒なそいつの輪郭も良う分かれへん位には。
>溶けそうなそいつを見てられへんようになって、俺はそこを離れた。
そいつも誰か待ってる様に見えたんは、
俺の気持ちの所為やろか。
…ああ、会いたいわー。
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