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お宅妄想日記~真面目と阿呆の紙一重~
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W廿∀廿){年齢低い方見ちゃらめぇ)
04/05-21:00
>>>>1575話
#爺妄想につきノーデータ。
#軽いエロ殺伐注意
「どうしたんだい?君、今日は随分鬱陶しいね。」
しん、と静まり返った部屋に響くアルフレッド君の声は、凍えそうなほど冷たかった。
何でこんなことになっちゃったんだろう?
確か今日は僕の誕生日で、冗談なんかじゃなく僕は自分の誕生日を忘れていたんだけど、(だってそんなものが何になるのか僕にはわからない。)ナターリヤが嬉しそうに僕を呼んで、珍しく姉さんが僕の家に来て、トーリスやライヴィスやエドヴァルドがケーキやプレゼントで祝ってくれて、フランシス君やルートヴィヒ君から祝いのカードが届いて、あぁ、今日は僕の誕生日で、誕生日っていうのは祝ってもらうのが普通で、贈り物が貰えて優しくされる日なんだってことが、知識として初めてわかった。
でも、僕は、向けられる優しさにどんな顔をしたら良いのかわからなくて、ただ、居心地の悪さを押し殺して上手く笑えているかどうかを気にしながら、自分が初めて祝われるということを悟られないように「ありがとう」と口にするのが精一杯だった。
今日は朝から、あの人に支配されていたあの日の、あのどうしようもない恐怖と、絶望と、諦めと…入り混じった複雑な負の感情で塗りたくったような悪夢で目を覚ましてから、どうも体調が悪くて、いつもより寒くて…、(もちろん寒いのは僕の家では当たり前のことだけど)心臓なのか胃なのか、柄にもなくそんなところが痛んで、呼吸の仕方も忘れてしまいそうだった。
だからかな?
いつもは難無く隠しておける感情も、慣れすぎて息をするより簡単に着けられる笑顔の仮面も意識しなくちゃならなくて、上手くできているかもわからなくて…パーティーがお開きになった深夜、みんながそれぞれの部屋や家に返って静まり返った空間に、アルフレッド君がやってきて、相変わらずの高圧的な、自分が1番で正しいと思っているような若造の態度に普段のように流すなり切り返すなりすることができず、邪険な態度を取ってしまって……
後に残るのは、壊れた調度品の成れの果てが散る自分の部屋の床と、いくつかの柱に減り込んだ弾丸と、硝煙血で鉄臭い空気と、僕の首の君の手の平の跡と、体の傷、大量の白と赤が染み込みきらないシーツ(白は全部彼ので残念ながら赤は全て僕から出たものだ)…後は…僕の抵抗で、飛んでひび割れた眼鏡くらい。
#↓に続く
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