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お宅妄想日記~真面目と阿呆の紙一重~
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64 :ノソ´゚ヮ゚){日記名が秀逸なんよ!)
04/15-06:00

#↑の続き









「兄さん、寒いのですか…?」

「…うん、少し、ね。」

私の呼びかけで、記憶に沈んでいた意識を浮上させたのがわかった。
寒いのは体?
それとも…?


「暖めて差し上げましょうか?」

「……どうやって?」
今までになかった不穏な空気を鋭く感じ取った兄さんは、ひくりと口角を上げて床ではなく、私を見た。

「私の全身全霊で、と言いたいところですが、紅茶をいれようかと思います。」
「…そっか。それならお願いしようかな。」
安心したように兄さんが言う。

「ねぇ、ベラ。ジャムはたっぷりにしてほしいな。それから、久しぶりにベラの作ったドラニキが食べたい。…僕も手作うから焼いてくれない?…ね?良いでしょう?」


ああ、もう、兄さん、なんて愛しいの…!!
裏切りを重ねられてなお、あなたは立ち上がるのですね。
あなたに甘えて貰えるほどには私は、あなたの心の中にいるのですね。
あの日、共に居られなかったキッチンに、罪滅ぼしとして立とうと言うのですね。
「えぇ、喜んで。兄さんが望むのなら、明日も明後日も私だけは共にあります。」


愛しい愛しい兄さん。
手酷い傷を負っても、…それでも脆くて強いあなたは、過去の思い出全てを投げ出さず、背負って生きていくのですね。
思い出を忘れるすべも知らずに…。







>ノソ´゚ヮ゚){「忘れるすべを知っていれば、むしろ幸せというべきである」(副題))

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