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お宅妄想日記~真面目と阿呆の紙一重~
 ┗7,6

7 :cW甘∀甘){爺ホイホイな日記名!)
03/28-21:21

>『我輩はお兄様である』(あある十八物語)
>>>>mbb.whocares.jp
#今までのあらすじ
#シスコンではないと言い張るお兄様は、一つの不安を抱えていた…






「リヒ、一人歩きは危ないと吾輩があれほど…っ!」

「まぁ兄さま、もうそのような心配をしていただく歳ではありませんわ。そろそろ、独り立ちをしなければ。」


しとやかではあるが、リヒはとても賢い。
今がいかなる状況下か、己がこれから何をすべきかを判断できる力がある。
その髪から、いつか買ったリボンが解かれる様を見て、雪が山肌を隠すように、心に冷たく染み入るように悟った。
あぁ、この可愛い妹は、もう兄の手を必要としないのか。
ローデリヒと離れたときから自分はあまり笑わなくなった。
では、この可愛い妹と離れたら、自分はどうなってしまうのか?


「…り、リヒ、…いつ、去る予定なのであるか…?」
…あぁ、はっきり意見を言うようにといつも本田に怒っているのは自分なのに、吾輩こそが、大事な本心を言えはしないではないか!
目の前が真っ暗になりながら絞り出した声は、こんなに小さくかすれて、頼りない。
これではますます、この妹が去るのを早めてしまう。





#(↓へ続く)

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6 :cW甘∀甘){爺ホイホイな日記名!)
03/27-23:23

#(↑より続き)





あぁ、昔はあんなに
「…兄さま…」
…そう、兄さま兄さまと俺の後をついて、何をするのも共にであった。
妹を守ることが自分の使命だとさえ思っていた。
「兄さま。」
あぁ、一体いつまでその声で兄と呼んでくれるのであるか?
「兄さま。起きてくださいまし。」
そう、いい加減起きなければ嫌われてしまうのである。
…………起きる?


途端に覚醒し、ガバッと顔を上げれば、執務室の机に突っ伏している己と、心配そうに覗き込む妹。

「兄さま、お仕事お疲れ様です。…チーズフォンデュを作りましたの。よろしければ、一緒に食べてくださいまし。」
普段通りに微笑む妹。
どうやら仕事中に眠ってしまったようで、吾輩は、心の底からほっとした。


「兄さま、いつも遅くまでお仕事をなさっていて…。本当は少し、心配しています。何かお役に立てることがあったら言ってくださいまし。」
奥の部屋から、自分の好きなあのチーズの香りが漂ってくる。
リヒが作ってくれたのであるか。
あぁ、本当に夢で良かったと、気を抜けば、軟弱な涙が溢れてきそうだ。

「あの日、兄さまに助けていただいてから、毎日幸せです。この幸せな土地を、これからもずっと二人で守っていきたいのです。」
椅子から立ち上がれば、妹の普段よりもどこか勇ましく、思いの込もった強い目が見えた。
まるで、何よりも大切な決意を口にするかのような、強い口調のように感じた。
と思えば、パッと顔を逸らし、何故か両手で己の頬を押さえながら
「さぁ、行きましょう兄さま。チーズが焦げてしまいます。」
と、リヒにしてはずいぶんと足早に退室していく。
扉をくぐる妹の髪には、己が贈ったリボンが大事そうに巻かれていて…
残された吾輩はといえば、
暖炉が傍にあるような熱に
しばらく動くことさえままならなかった。









#cW甘_甘){「世の中は、君の理解する以上に栄光に満ちている。」(副題))
#夢オチn番煎じです。
#こっそりあある十八も見てみました。恐れ入ります爺です。
#お兄様であると主張する貴方にネタktkrなんて思ってなんていないわけがありません。(はぁはぁ)

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