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cynicism.
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15 :
普
04/29-21:27
世界が少しだけヤツに優しく在れば良いと思う。それは取り巻く環境だったり、気温だったり、思わぬ偶然であっても構わない。月を見上げて明日の夜を思う頃、俺はいつだってそう願った。
そんなに報われない訳じゃあ、ないと思う。ヤツは自分を不幸だと泣いて喚くが、一歩引いて傍観者としてヤツを見据えれば、幸せの欠片はあちらこちらに落ちていた。それどころかヤツの周りにはいつだって手が差し伸べられていたし、ヤツの為に泣くことの出来る奴だっていた。
それに気づかないのはヤツの謂わば『盲目性』というもので、泣くばかりで目を固く閉じているばかりでは視界はいつだって開きはしねえだろう。それに気付くことが出来ないところが、ヤツの短所であり、愛しいところでもあるんだろうが。
どうか、今のしあわせを大事にしてくれ。泣き顔も好きだが、笑ってる顔も好きなんだ。そうして新しい恋人と別れた時には、いつもみたいに俺を頼って泣いてくれ。次に泣いた時は、慰め賃としてその唇を掻っ攫うくらいは許せよ。その時の言い訳のためにも上等に酔いやすい酒は用意しておくから。
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