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ヌヌルス
 ┗82

82 :列◇
01/11-12:20

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私は、あの方や皆様のようには上手に言葉は紡げないのですけれど……不器用なりに臆せず綴っていこうと思います。

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昔話をしてみます。一時期、この姿にて日記を書いていました。読んで下さっていた方など私信で声を掛けて下さったお一人しかいらっしゃらなかったと思います。内容がとても寂しかったものですから。気を紛らすために一人で切手を発行していたのです。兄さまや皆さまが心配して呼んで下さるのを、迷惑を掛けたくないからと心に鍵を掛けて閉じこもっていたのは単に私でしたのに、世界で独りぼっちである気さえしていました。…ふふ、今や幸せばかり詰まった日記の持ち主になっているだなんて…自分でも驚くばかりです。

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もう捨ててしまった、あの切手集の中で気に入っていたのは犬の写真をベースにした一枚です。その犬とは一人旅の中で出会った、長毛の大型犬です。犬種はア/フ/ガ/ン/ハウンドさんでしょうか。
あの日は美術館に寄った帰り、別荘地に迷い込んでしまいました。夕暮れ時にもなっていたので一人オロオロしていまして、いきなり行く手に影が現れた時は熊ではないだろうかとドキッとしたものです…。ですが正体はリードも付けていない、大きな大人しい犬で(落ち着いて周りを見回すと、素敵なお家の庭から出てきたようでした)、ゆっくり歩み寄ってきて手を優しく舐めてくれました。そして私の周りをぐるっと一周するなり尻尾を向けて元来た道を少し戻って、こちらを振り返るのです。おいで、と言うように。
着いていって出た別の道は、それまで迷い込んでしまっていた道とは違う、バス停などもある通りでした。地図を注意深く見直してみて自分の居場所が分かったので一安心。それを待っていてくれたかのように寄り添う犬を撫でて、魔法に掛けられたようなこともあるものだと、記念に写真を撮らせて貰ったのでした。

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残念ながら今はその写真も消えてしまいました。夕日に照らされ、その犬の柔らかで、温かな色味のブロンドの被毛が美しく輝いていたことはよく覚えています。口吻の長い、優雅な印象の横顔も。役目を終えたかのように自分の家の方向へ帰る姿を見送ったのですけれど…尻尾の振り方から歩き方まで上品で、王子さまの化身ではないかと、…御伽噺の大好きな私の無理矢理なこじつけと笑われてしまいそうですね。でも、この考えは気に入っています。何となく、動物に例えるならばキャラ故のくまさんの他に、穏やかな気質の優しい長毛種の犬だと勝手ながら思わせて頂いてるあの方の印象に、不思議と当てはまるのです。
…あの犬との出会いは何かの暗示だったのでしょうか。導いて救ってくれたように思える犬の切手は、私の想いそのものに貼り付けられ、手紙となって神様に届いたのかもしれません。そして、あんまり私が一人しょんぼりしているのを哀れに思って下さった神様が、きっと……出逢いたかった素晴らしい方に繋がる赤い糸を一巻き、下さったのかもしれませんわ。

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今では毎日沢山のお手紙を交わしていますから…切手も役立たずではなくなりました。塞いでいた気持ちから解き放たれたおかげか、以前より質の良い切手を発行出来るようになったと思います。回想しながら、あの頃とは少し異なる趣の物を何枚か作ったうちの一枚を貼ってみます。

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(アルバムの鍵は半角数字の「1」)

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こことは別の世界で三色菫の押し花を沢山作っていた過去の姿は、もしかしたらあの方も見て下さっていたかもしれません。身を置いていた頃は辛いものがありました、けれど…今となっては、この恵まれた位置に立てるようになるまで必要だった通過点だったと思えるのです。
庭に咲く花が寒くなって枯れてしまうのが嫌だと花弁を頁に挟んで押し花にしていた、お下げを編んでいた自分が懐かしい。あの頃の私に「季節は巡ってまた咲くから、大丈夫」と言ってあげたいです。雪のお布団の下では今この瞬間さえも、春の準備が密やかながら確実に進行しているのだと。

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沢山の青を敷き詰めて、古い押し花は全て使ってしまいましょう。また花が咲く時が来たら幾らでも作れるのですから。…そんな昔もあったものだと振り返ることが出来るようになった長話を、自己満足ですが記しておきます。

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