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hau-hau !
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20 :花*たまご◇
02/13-18:17

>>>2388
ほ、本棚ありがとうございます、うれしいです(こそ)ええと、上司にカンペを渡されました。
> や ら な い か ※ボール遊び
……こうですか、わかりません(口にボールくわえ、尻尾ふり)

>†††

>(いつかの本家ネタ、人間になったぼくが出てきます。注意してください。)




犬らしく体温調節のためとドキドキで、手に汗とお金を握りしめて。行ってきました。チョコレートを買いに。

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たくさんの人がいる売り場は、 人間の姿を借りても嗅覚の強い気のあるぼくの鼻には少しくらくらするぐらい、強い甘い香りに満ちていました。チョコレートと、香水の香り。……ノミ除け、と、香りが落ち着くからと好きで匂い袋にして首に下げているラベンダーが、蠱惑的な香りにすっかり埋もれてしまった。そわそわ、どきどき。落ち着かない。

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おいしいだけじゃダメで、かわいいだけでもダメで。北/欧のみなさんと、シー君と、ご主人と。それから普段ぼくに良くしてくれる人間のみなさんに特別なチョコレートを。それから、ご主人にはもう少し、もっと特別なチョコレートをあげたくて。…そんなぼくのワガママを満足させてくれるチョコレートを、キャロブで作られた代用チョコレートの味しか知らない自分は、果たして探せるのだろうか。

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落とさないか、なくさないかが不安で。おうちからずっと掌にあって、すっかり温もってしまった硬貨の数とも相談しなくてはいけない。しわしわになってしまった一枚きりのお札とも。
いつだって1、ワンしか数えられないぼくは、計算がとても苦手で、百回吠えなくては達しない数を更に超えるとなると、頭が普段の毛色よりも真っ白になってしまう。いつもなら狼爪があるだけで使わない親指、人間の姿になると存在が新鮮にすら思える親指。この親指も含めて何回も何回も両手の指を折り曲げては開いて。頭の中では眠れない時に数える羊さんみたいに、ワン、ワンと吠えて1ずつ足していく沢山のぼくがうるさい。……うん、と。

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そうやって売り場のすみっこで計算にもたついているぼくを見かねて、店員のおばさんが「みんなにプレゼントするのかい。小さいのに偉いねえ。それで全部?だったらレジに持っておいで。袋に入れてあげよう」と、にこにこ声をかけてくれて。お金が…と、もごもご呟いて手の中を見せてみたら、「足りるよ」と、あっさり。ぼくの心配を片付けてくれてくれたおばさんが、一瞬マ/リ/ア/様にすら見えた。もっと早く聞けば良かったものを、北/欧育ちの人見知り(一部除く)はこれだから…!

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しわくちゃのお札はマ/リ/ア様に引き取ってもらい、代わりに硬貨と大きな紙袋を受け取る。
# Kiitos ! 
そう言って帰ろうとしたら、おばさんが「お待ち、はいこれ、オマケだよ。良かったらお食べ」と、ハート型のチョコレートを2つくれたので、
# Kiitoksia!
そう言い直して店を後に。ほっ。買えた紙袋の重たさが嬉しい。お食べ、という犬にとっては「待て」を解くGOサインをおばさんに頂いたので、ハートを口に放り込んでみる。…甘い。キャロブじゃないチョコレートは、はじめて食べる。もったいなくて、噛んでしまわないように舐め溶かしながらの帰り道は、普段の自分なら恐らく尻尾を振っていたはず。

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後日、みなさんが喜んでくれたので、とてもうれしかったです。

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シー君に自分のは何か買わなかったのかと聞かれて、また人間の姿になった時に大事に大事に食べようと思っていたハートのチョコレートのもう一つをオマケにもらったのだと見せたら、「オマケだから仕方ないとはいえ、見るからに安物じゃねーですか!これじゃ口溶けも悪いし、ただただ甘いだけなのですよ。花*たまご、シー君が今度お返しにちゃんとしたチョコレートあげるから待ってろですよ!」と。…そうなんだ。……でも口で溶けるのがあんまり早くないからこそ、あの帰り道なめなめ楽しめたんだと思うんですよね。だから、ぼくにとっては店員のおばさんはやっぱりマ/リ/ア様です。バレンタインの思い出に、包み紙の皺を伸ばし伸ばし取っておこう。

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