一覧
┗
さよならのワルツ
┗124
124 :
Arthur
08/24-00:53
あいつの香りが変わった。
甘ったるいボディーソープとユニセックスの香水、それから掠れるような煙の混じったそれが好きだった。
きっと、以前の俺ならばそれを酷く嘆いたに違いない。まるでこの世の終わりを知ったかの如く、ひとりで喚いて、飲み明かして、泣いたかもしれない。お前には何ひとつこぼさず、爪を噛んだだろう。
だって、それだけが俺の縁だったからだ。
誓いなど何もない俺たちの、唯一だったから。
けど、まぁ。何とでもなるもんだな、と、思ったりした。それほどの月日が経ったのか、諦め癖を拗らせたのかは分からない。けど、それだけの事だった。お前は代わりを与えてくれたし、馴染めないのは俺の勝手だ。
時代の流れって、そう言うもんだろ。
[
返][
削][
編]
[
戻][
設定][
管理]