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さよならのワルツ
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13 :
Arthur Kirkland
10/27-01:17
>海、ヴァイオリン、紅茶を淹れたカップの底。
>真夜中にどうしても気になって見に行く庭の薔薇、太陽が翳る空、歌、水面。
俺の世界がアルフレッドで出来ていた頃、それを失うのが怖いと怯えた俺に、すきなものをゆびおりかぞえてごらんなさいと笑ったレディは確か、名前も知らない淡いフェアリーで。
結果として腕の中からすり抜けた子供は、元より俺のものなんかじゃなかったけど。
けど、今でも。
あの時数えたすきなものは、今でもずっと俺の腕の中に在る。
>二階建てのバス、くるくる回る電話線、コートについた丸いボタン、冷えたフローリング。
>真夜中の冷蔵庫、車、高音が割れる安物のスピーカー。
両手では足りない程に増えていくすきなもの。
ひとつひとつ数えて、生きていくのも案外悪くないと思った。
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