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さよならのワルツ
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136 :
Arthur
01/08-21:10
Happy New Year.と言うにはもう遅いかもしれないが。まぁ良いだろう。
何だかんだで今年もガルとぐだぐだしながら迎えてしまった新年だったが、年末は本当に暫く忙しくてガルに泣き付いてメンタル介護をして貰っていた。おかげさまで調子に乗ったガルは凄く嬉しそうに笑っている。
首輪だけ着けとってくれたら多少遠いとこへ散歩しても構わへんよ、と笑うあいつの側から離れられるようになるのはいつになるんだろうな。何だかんだで戻ってくるのが可愛い、とふざけた事を言われながらも、お前が甘やかすから仕方ないだろうと思ってしまう俺が多分末期なんだな。
……本当に、疲れた出来事があって。ここ数年で一番疲弊したんじゃないかと思う。何もかも放り投げて眠ってしまいたかったけど、そうも行かなくて。そんな時に限ってあいつは俺を抱きしめて、無理はするなと甘く囁いてくる。決して投げ出して良いとも、大丈夫だと無責任な言葉も言わない。その代わりにあいつは俺に消えない傷をくれて、黄昏の下で淡く笑った。そう言うところが、嫌いになれない理由なんだろう。
馬鹿らしいな、と。遠い誰かを評するようでいて目の前を諦めた俺の心臓が、今日もゆっくり脈を打つ。
誰がどう見たってあいつは狡い男でしかなくて、本人も間男みたいなもんやからと笑うけれど。
決して一番にはしてくれないくせに、どうしようもなくお前の左耳だけは俺のものだった。
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