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さよならのワルツ
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14 :
Arthur Kirkland
10/31-17:24
今日位、帰ってきてくれても良いのにね。
そう静かに笑みを刻む横顔は、案外嫌いじゃないと思っている。
夜にパーティーを控え、みんなが騒つく昼間。
文句も言わずに紅茶で時間を潰すのは、センチメンタルな気分を先に消化してしまいたいからだろう。
かつて俺達の側にいた人の子は、この世に未練などないとでも言うように、死者が蘇るこの夜に姿を見せた事がない。
騎士も、女王も。想いを溶かした紅茶は何故だか苦い気がして、いつも言葉を探す。
カップの底に残した焦げた思いは、決して美しいだけのものではなく。
けれど確かに存在していて、愛しかった。
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