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お前はそこで笑っていて。
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43 :
洪
08/12-07:28
>(うえとしたはみぎとひだり、うぅん思いだせないわ)
何か言いたい言葉があったのだけれど思いだせないの。出てこないのよ、言葉がね。明るくて眩しいそれや浮かぶあれ、今私が足をつけてちゃぷちゃぷしているそれも、私が今着飾っているあれも、何もかも。ぼんやりと見つめたままなんだけど実は思いだす努力もしてないの。
名前があるのに出てこないのはきっと不幸せなのかしらね。あぁ、幸せと不幸せって言葉は私覚えてるのよ。だけどそれを説明する言葉は見つからないの。でも私の心が言うには、どちらかといえば前者の方がずっといいってことかしら。でも私はあえて、そちらを選ぶのね。
なんだったっけなぁ、思い出せない。私は自分のそれでそれを隠すの。あぁ、真っ暗だわ。顰めてみるとより一層真っ暗になる。そっと開けるとまた明るくなるんだけど、思った以上に眩しかった。さぁ答えはなんでしょう、ふふ、私にもわからないの。わかってもお願いだから教えないでね、私は自分で知りたいの。知りたいんじゃない、思いだしたいのよ。なーんていうのは努力した人だけに許された言葉なの。私が使うわけにはいかないわ、なんでこの言葉は忘れてなくて他の言葉を忘れてしまったんだろう。
例えば全部名前が消えてしまうとしようか。そしたら私はどうやって判断しようかな。きっと心の言うとおりに進むしかないんだわ。幸せと不幸せの基準も結局心が決めて私はそれに従ってるんだもの。でもそれはとってもとっても悔しいから私は少しだけ反抗してみようかな?
ねぇ、名前がないのは本当に不幸せなのかしら。あべこべなことをいっちゃうとね、心が判断した名前がないことの不幸せさはね、実は心にしか解消できないのよ。名前がなくても心が幸せだとか不幸せだとか決めてくれる。それなら私は名前なんてなくったって私は案外幸せなんじゃないかと思うのだけれど、さぁ反論はあるかしら。無い筈よ、だってここは私だけのものだもの。私が思い出せない言葉で反論できるわけないじゃない、だから私の言うとおり。
例えば明るくて眩しいそれ私は好きよ、名前は思い出せないけれど。
例えば足をちゃぷちゃぷするそれ私は好きよ、名前は思い出せないけれど。
例えば私のこの着飾るそれ私は好きよ、名前は思い出せないけれど。
でもね、名前が思い出せない私はきっと嫌われちゃうわ、お話出来ないって。お話ができなければ一人ぼっちでぼーっとしながら足先がじんじんするのに耐えなきゃいけないのよ。それは幸せ不幸せどっちかしら、ううんきっと不幸せだわ。ねぇ私は一体何が言いたかったのかしら、思い出せないの。言葉を口に出せないの。いつか出せる日がくるのかしら、そのとき私は言葉を出せても正しく使うことができるのかな?何かがひとつ、ふわぁと口から出る。そうそうその調子で正しくね、そうでないと私はきっと一人ぼっちよ。言葉と名前は違うのよ。名前はなくても平気でも、平気なんだと伝えるお口が必要なの。ねぇ、おくちってなんだったかしら。ことばってなんだったかしら。忘れてしまわぬように、何かに書いてしまわないといけないわ。
#あれ、私はなんでここにいるのかしら。
>(物忘れの激しい女の話)
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