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雨によく似た涙の雫
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5 :Arthur
07/22-04:57

昔の日記の名前が思い出せないんだ。
しっくりこねぇ。
すっげぇモヤモヤすんだよこういうの…。

けど、もう何年も前のことだし、当時のやつらももしかしたらいないんじゃないかって気がするし…と、友達がいねえとかいうな!ばかぁ!!

#日記のタイトルはニュアンスで。

雨、涙、雫、薔薇。
なんかそのへんの組み合わせだった気がするんだけどな。

>ーーー

うちの庭に、今年も綺麗な薔薇が咲いたんだ。
あいつが見たら喜びそうな、二色が寄り添い合う薔薇がやっと、姿を見せてくれた。
手入れを手伝ってくれた妖精たちも喜んでくれたし、何より本当に美しかった。
良い香りがして、優しい色をしていて、まるで、あいつみたいだった。

>ーーー

別れたのはいつ頃だったっけ。
10月だったかな。今月かもしれない。
国のことが忙しいあいつに会えなくて、俺は寂しかったんだ。
待ってて欲しいと言われて、待った。
けれど結局、俺はあいつを信じて待つことができず、音をあげたんだった。
待つ決意は、一年ももたなかった。

#「もう少しで迎えに来れる筈だった、」

そんな風に言っていた気がする。
その当時、国を跨いで大きな仕事していたのは知っていた。
あと少し我慢できたら、ご褒美が貰えていたのかもしれなかった。
あいつは最後、少し寂しげに、笑っていたような気がする。

俺の心を今になって埋め尽くす、堪らなく愛しい、切ない、この恋情は。
すがる相手も、場所もなくて、こうして醜い文字にして、いつかまた燃やすしかないんだろう。

>ーーー

当時の俺は、一分一秒でも早く、あいつの声が聞きたかった。
例えそれが終わりの言葉でも。

満たされるのも、渇くのも、あいつにしか動かせない。例えるなら俺は、砂時計のようなものだった。

>ーーー

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