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鳩の止まり木
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152 :
仏
03/07-19:33
お勤め上がって外へ出たら、春の夜だったんだ。
しん、と、耳の奥に響くみたいな寒さがない。頬に触れる空気はじんわりと暖かいままで。
木の芽の膨らむ気配がする。
今までより、ゆっくり歩く帰り道。
誰かのことを思い出しそうだった。
こんな春、訳の分からないままそれを見ていた。
何か変わったのかな。
遠くの方で、電車の通り過ぎる音。
いつも不確かだった。
硝子に閉じ込められた気泡のようなあの微笑が、不意に目蓋を撫でて行く。
春の始まりは、いつもそんな風に。
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