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┗鳩の止まり木(152-156/160)
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156 :
仏
03/23-18:29
夕焼けが影を伸ばしてる。
今日は寒いな、ピエール。…近頃暖かい日が多かったから、冬に戻ったみたい。
とはいえもうすっかり春だよなぁ。
桜の並木が遠くから見るとぼんやり薄紅色に見える。もちろん、花はまだ咲いてない。だけど花を咲かせる準備をしている木って、木全体がピンク色になるんだよ、あの黒い幹も、全部さ。…気のせいかどうかは、俺にはわかんないけどな。
え、お前、つくし第一号見つけたの?
いよいよだなー、春。
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155 :
仏
03/17-09:23
開館までもうちょっとだったから、ピエールをつっついてじゃれてよう。
普段は行かない図書館に足を伸ばしてみたところ。この辺はあまり来たことなかったけど、古い建物が多くて街並みがきれいだな。
晴れ着姿のお嬢さん方をちらほら見掛ける。重々しい建物に紅白の垂れ幕。隣で菊が、どこぞの卒業式でしょうかね、と呟いてる。……と、思ったら成人式でした。だからあんなキレーな格好してるのか。
もう春だね、と、二人で顔見合わせて笑って。
空は一片の雲もなく、高いとこを鳥が飛んでる。今日みたいな日は気持ちいいだろうな、ピエール。
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154 :
仏
03/11-18:06
言葉、というのに翻弄されることって、時々起こる。ここから先、どうしても越えられないんだっていう境界線になる。
言葉はただの言葉で、なんてことはない記号と音の連なりの筈なのに。
幸せとかふしあわせとか、友達とか恋人とか、悪意とか善意とか。呼び名を与えてやるとなんて安心するんだろう。
本当に見てるものが何なのか、見たいものが何なのか、時にはちゃんと思い出さなくちゃいけない。でないと簡単に忘れちまうからね。
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153 :
仏
03/08-19:50
奥の方の、普段は少しも意識しない、忘れてたようなとこがしくしく痛んでる。
ずっと前から感じていた些細な違和感は、いつからか誤魔化し切れないものになってたみたいだ。
失うかも知れないのが怖くって、先伸ばしにしてた。解決の為の手段も知っていた筈なのに。
もとには戻らない。見ない振りも限界。
覚悟決めなきゃな。
このままじゃ、おいしいものだっておいしく食べられないじゃない!全部済んだら、何より素晴らしいディナーが味わえる筈さ。
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152 :
仏
03/07-19:33
お勤め上がって外へ出たら、春の夜だったんだ。
しん、と、耳の奥に響くみたいな寒さがない。頬に触れる空気はじんわりと暖かいままで。
木の芽の膨らむ気配がする。
今までより、ゆっくり歩く帰り道。
誰かのことを思い出しそうだった。
こんな春、訳の分からないままそれを見ていた。
何か変わったのかな。
遠くの方で、電車の通り過ぎる音。
いつも不確かだった。
硝子に閉じ込められた気泡のようなあの微笑が、不意に目蓋を撫でて行く。
春の始まりは、いつもそんな風に。
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